震災復興・防災
Earthquake reconstruction・ Disaster prevention

自然災害には雨を要因とする洪水や土砂災害、がけ崩れがあり、そのほかにも雪崩や積雪、吹雪、落雷、地震を要因とする液状化、津波、がけ崩れ、噴火による降灰、噴石、溶岩流などがある。それらに対して建築がどのように介入するのか、デザインに落とし込むのかが重要になる。

・時間的観点では震災の発生する前に仕掛ける防災の観点での建築か震災の発生中に効果を発揮するものなのか、震災後の応急段階での仮設的な提案なのか、復旧する段階での計画や建築なのか、震災の継承や追悼の意を込めた提案なのかなど多くの場面があると考えられる。また、それらの段階をコンバージョンや増減築等の転用的設計で横断してもよい。

​・その他、特性を組み合わせることでも可能性を広げることができる。多くの提案は地域性を選択する傾向にあり、地域の地縁やコミュニティの文化や

ふるさとの息づかい
- 福島県浪江町請戸 -

作品概要

福島県浪江町請戸地区。東日本大震災の津波により、まちの営みが1日にして消えた。7キロ先に原子力発電所が見える。敷地から3キロ先は中間貯蔵地となっており、長期的にこの地に人が貫入することがなくなる。このような状況の中で自然と人のバランスが崩れ、この地は自然に還りつつある。

現代は技術進化の恩恵により、自然という脅威から守られる生活が送れるようになった。それによって自然に対して恐怖を感じにくい人間社会となっている。動物としての感覚の低下から人は様々な環境問題を引き起こしているようにも感じている。この街で起きた原発の事故のように、人々の麻痺した感覚は時にまちを破壊する兵器になる。

ここに自然の力と人間の力がともに拮抗しあい、風景が変化し続けるメモリアルパークを設計する。ここは長いスパンの中で、自然と人の拮抗により世界が動いていく。

自然の再生能力に甘んじて自然へ負荷を与えすぎている現代。自然と人とまち。どのようなバランスで共存するか。科学技術とどのように向き合うか。現代の人々の麻痺した感覚に問いかける場として100年後もその先も存在し続ける。

タイ都市部における被災者のための仮設住宅の提案

作品概要

 毎年、タイでは洪水が発生する。他の自然災害も増えてきたが、災害対策は十分ではない。仮設住宅にも様々な問題が発生している。被災者ができるだけ早く心理的安心を確保できる仮設住宅の建設が必要である。
 本研究では、1)タイ人のスタイルに合った空間、2)建築にかかる時間の短縮、3)仮設住宅でのコミュニティ形成、をコンセプトに、新たな仮設住宅を提案する。
 1)タイ人は、屋外をよく使い、食事方や寝る方などにも特徴がある。タイの気候や住文化に合った空間設計として、高床と風通しを重視し、半屋外のテラス空間をもつ仮設住宅にした。2)仮設住宅は、入居者が自分で組み立て可能な方式である。簡単な組み立て方にするために設計モジュール1200mmを設定し、建設時間短縮のために居住スペースと水回りスペースを分けたプランにした。住宅パーツは、運送しやすい方法と、壁と床どちらにも使用できるように、同じ材料にした。組み立て時間は、専門者でない1-2人で1日以内に完成できる。3)一般ゾーンでは、仮設住宅のテラス空間を向かい合わせにして、居住者たちがコミュニケーションしやすく、近所の人と顔見知りになり、安心感も持てるようになる建物配置にした。高齢者や子どものいる世帯向けのケアゾーンを設定した。
 この他、仮設住宅供給プロセスを災害発生前から撤去後まで考え、災害発生後は仮設住宅を2つのステージに分けて建設する提案をした。

防災から考えるこれからの地方のあり方 - 徳島県美波町における地域特性を活かした防災計画の提案 -

作品概要

 東日本大震災以降、全国の77.9%の市町村が、津波避難タワーの建設をはじめ避難経路の保全化など防災計画の改定を行っている。
 それらの中で計画されている津波避難タワーの中には、周辺の景観への配慮が十分でないものもあり、町の中で異物として佇んでいる場合も少なくない。また、普段から地域との関係が持たれていないため、非常時の利用に繋がらないことが懸念されている。日常の暮らしと非常時への対応という二つの側面を同時に扱かうことで、より安全でより暮らしやすい地域デザインを、景観維持に配慮しながら実現できると考える。
  本研究では、徳島県美波町日和佐地区を対象として、地域住民へのヒアリング調査や地域のフィルードワークを重ね、美波町の現状や対応すべき課題を幅広く丁寧に読み解き、歴史や文化など地域特性を浮き彫りにすることで、歴史的景観の維持を前提としながら避難計画、地域防災対策を立案し、多様な地域生活のための拠点を兼ね備えた津波避難タワーの提案を行う。
 それにより、少子高齢化などによる人口減少や、景観や文化など地域特性の消失による衰退が懸念されている地方都市における持続可能な地域計画となる。

災害後に避難所から仮設住宅に変化する公共施設 - 非日常時の機能を主体とした設計の提案 -

作品概要

 避難所と仮設住宅の機能が組み込まれた公共施設を設計・提案した。災害が発生すると、避難所が開設され避難者が収容される。しかし避難生活の長期化に伴い、避難所や待機所を転々とさせられる場合が多くある。この問題の背景には、スペースの狭隘化による避難所の移動や、施設の日常業務回復に伴う解消と集約、仮設住宅の敷地確保の難航等がある。しかしこのような災害後の環境の変化は、時として被災者間に生まれた繋がりやコミュニティを破壊し、引きこもりや孤独死を引き起こす原因ともなる。
 これらの問題を解決するために、日常業務の停止が比較的問題とならない文化施設内に、あらかじめ避難所の機能を組み込むことで、長期の避難生活に対応できる施設を提案できないかと考えた。そこで既存の図書館及び公園をベースとし、避難所と仮設住宅の機能があらかじめ組み込まれた公共施設を設計した。この施設は災害が発生すると速やかに避難所に変化し、その後は仮設住宅としての利用へと転換、復興後に再び平常時の利用形態へと戻る。また災害発生後の環境の変化に対応するために、過去の震災で発生した避難所の問題を既往文献から抽出し、時系列ごとに整理・分析した。その後これらの問題や環境の変化に対応するべく、本提案施設を災害後に4段階に分けて変化する可変的施設とし、各段階における施設の運営方針や、優先して解決すべき問題等を検討した。

イタリアと日本の地域再生まちづくり:継承と再生デザインに関する研究 - 土地と暮らしに敬意を払った設計を目指して -

作品概要

3.11の東日本大震災の被災地では、大地震と津波による壊滅的な被害を受けた沿岸部の一刻も早い復興が望まれ、道路の新設や宅地造成のための森林伐採が進められているが、それらは震災前の集落の記憶を無視した計画であった。漁業ボランティアでの漁師さんとの対話を通して、更地となった沿岸部で場所の記憶を頼りに様々な思い出を語る被災者の姿を目の当たりにした。さらに2009年に被災したイタリア・ラクイラへの研究留学を通して、日本と同じく地震国であるイタリアにおける土地の歴史性やそこで生活する人々の意向を最優先に考えた計画事例を学び、日本で進められている土地に根付く記憶を消し去り、それらの記憶を軽視して進められる復興計画や地域再生計画が、地域住民に愛されるまちづくりとしてふさわしいのだろうかと疑問を抱いた。
本研究は、日本の復興計画や地域再生計画を見直すべく、復興計画を完了したイタリアと日本の集落を研究し、移転前後の新旧市街で行われた継承・再生デザインが、どのような手法を用いてその地の歴史性を継承しているのかを理解する。それらの研究から得られた知見が、日本の地方都市で問題となっている地域性の損失や歴史継承デザインを考える上でも、非常に重要な研究となるのではないだろうかと考えた。
本研究を生かして、災害復興デザインに限らず日本の地方都市における地域再生デザインを見直すことを目的としている。さらに、ケーススタディとして定住促進や農業振興イベントが積極的に取り組まれ始めている神奈川県秦野市柳川の地域再生まちづくりを試み、具体的な展開方法を示した。

「都市の里山」 田町操車場跡地土地区画整理事業に伴う山手線新ターミナルビルの設計
 - 多様な防災機能を取り入れた複合施設の提案 -

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、現代建築で埋め尽くされた都市における災害への脆弱性を顕在化させた。これは現代の都市基盤が自然災害が発生しても市民生活には影響が出ないことを前提にした土木構造物と効率を最重視した現代建築で構成されていたことが要因と考えられる。
今後、発生が懸念されている東海・東南海・南海による3連動大地震、そして首都圏直下地震に備えるためには、土木構造物を中心としたインフラ整備以外に、都市を構成している建築物自体を変えていく必要があるだろう。それには、都市を構成する建築物が災害などの非常時に有効に機能することが求められるとともに、機械設備等に頼ることなく快適な生活が得られて、身体的にも精神的にも安全・安心できる建築物が必要と考えられる。
しかし、東日本大震災を経験した現在においても,教訓は活かされず、未だに効率を至上としているかのような建築物を中心とした大規模開発が行われているのが現状である。
そこで本論では、新たに計画されている開発地区をケーススタディの対象とし、多様な防災機能を取り入れながらも、街と一体になることで、多彩な自然環境を生み「心の拠り所」と「生産の場」となる「都市の里山」になるような複合施設を提案することを目指す。
計画地は、国際戦略特区として注目を集め、田町操車場跡地土地区画整理事業が予想されている山手線新ターミナルビルとし、設計を行うものである。

防災拠点としての学校建築 - 神奈川県横須賀市立北下浦中学校建替計画 - 

現在の学校建築は日常の学校生活に関する空間構成は様々なタイプのものが検討されているが、一方震災などが発生した場合の「防災拠点」という機能の面はまだまだ課題が残されていると感じる。現存する多くの学校建築で災害発生後に避難生活を送るとき、大抵の場合は体育館等の大空間で集団生活を送ることとなり被災者の身体面、精神面共に適さない空間となっている。よって日常の学校生活はもっともであるが、非日常の避難生活にも適した学校を計画する。そのためには「学校」という空間が日常的に周辺住民に「拠点」として認識され、親しみを持たれている空間であることが必要であると考える。このことによって、災害時となった非日常の場合もスムーズに人・物資・情報が拠点である学校に集まり、安心した避難生活を送ることが可能となる。よって本計画では学校建築の「拠点性」に着目し、計画を行った。その際、地域の拠点要素を全て学校空間に集合させるのではなく、周辺環境で不足している空間を補い、また学校ではできない様々な学習体験を周辺環境から得るといった、周辺環境と学校空間が相互に影響し合うことで完成する拠点性が重要であると考える。この「地域と補完関係を保つ」ということによって地域住民が日常的に学校空間を利用することにつながる。このように、日常生活の延長線上に災害時の避難生活を想定することで災害時の被災者の「安心」を引き出すことのできる学校建築を設計した。

名古屋市における基幹的広域防災拠点の提案 - 啓発機能を有した複合施設の設計 - 

平成23年3月11日に発生した東日本大震災では,被災区域が東日本全域に及び、広域的防災対策の重要性を再認識させることとなった。同年6月に公表された平成23 年度版防災白書では今後の防災対策として、近い将来に切迫した東海地震、及びほぼ一定周期で発生している東南海・南海地震の三連動地震に対する取り組み強化と促進が掲げられるなど、これらへの懸念はさらに高まっている。我が国の経済を支える三大都市圏において、大地震に備える基幹的広域防災拠点の整備が未着手であるのは名古屋圏のみであり、早急な整備が急務である。そこで本計画は、大地震への懸念が高まる名古屋圏において、啓発機能を有した複合型の基幹的広域防災拠点施設の提案・設計を行うものである。

スミダ・ヒル 人工地盤を用いた公園的居住空間

この計画では、人工地盤により形成された屋上公園の下部に、住居や地域施設、防災施設を取り入れた、地域に住むことの楽しさを享受できる建築を設計する。設計対象地の墨田区白鬚東地区周辺には、地域の防災拠点として建設された白鬚東団地がある。しかし、建設から30年以上を経て、防火用散水設備等の機能が低下しており、保有する防災用倉庫も非常時に対応できない恐れがある。そこで、地域の防災機能を補完するため、計画建物の1階には防災用倉庫及び非常時に活用できる物流センターを設置する。また、敷地の対岸である白鬚西地区は、近年住宅地として居住人口が増加していることから、これらの地域との結びつきを考慮し、2階に駐車場、4〜5階にはスーパー銭湯を計画する。2〜4階には高齢者用住宅を、屋上にはゆるやかな起伏をもつ屋上公園を設ける。公園やスーパー銭湯のロビーは地域住民によるにぎわいを生み出し、高齢者に孤独感のない暮らしを提供する。半外部空間である駐車場には、建築全体に対する日射を軽減するダブルルーフ的な役割をもたせる。さらに、屋上公園は河川氾濫時の高台避難所として、高齢者住宅・スーパー銭湯は一時避難所として想定するなど、各施設は小規模な防災拠点となるように計画する。こうした空間構成および用途の配列を通して、日常生活を豊かにしつつ非常時の住民生活を支援する機能をもつ、新たなビルディングタイプとする。

 Disaster shelter system ~災害時における一時建築の提案~

近年、地球環境破壊が進む中で大規模な自然災害が増え、世界各地で多発している。被災した多くの住人達を救済する施設や対策はあまりにも貧弱で、一日も早い復興を可能とする世界規模での提案が望まれている。
 日本は世界でも最大級の地震大国であり、今後数カ所で大地震が数年以内に起こるとされている。阪神大震災や新潟県中越沖地震など、過去の大地震の経験を踏まえ、人間の生命を救済するための一時避難所やライフラインといった災害後の復興に大きな力を発揮する復興システムの提案をする。
本計画では、東京に大震災が発生することを想定し、災害発生時からの時間軸を主とした復興システムを考える。この復興システムは2つのフェーズから構成され、災害後必要とされる施設は、通常時には都市のデッドスペースに貯蔵・格納されている。これらは災害発生時にそこから取り出され、シェルターや災害時必要な諸施設として機能する。いかに短時間で設置し、使用可能な状態にしうるかを考慮し、地震発生時からの避難の様子を1つのストーリーとして展開する。

加勢する賃貸住宅
災害後のみなし仮設住宅では,人が集まる場所がなく孤立している状況がある.住む場所があっても,他者と繋がれないことによる孤独死も相次いでいるので,平常時から複層的なコミュニティを考えるべき.分棟型に建つ建物のグランドレベルには,ワークスペース,シアター,工房,キッチン,ダイニング,趣味室といったプログラムを配置する.そこは広場を介したさまざまな活動が行える街の共用部となる.
遺品の追憶

津波で被災した祖母の家には、長年大事に扱ってきた数々の遺品と建物の基礎だけが取り残されていた。もともとあった建物の基礎と当時の祖母の遺品への振る舞いを手がかりに、亡くなった祖母の遺品の記憶をわれわれが追体験するための建築を設計する。遺品の記憶を経験として具体化し共有することで、祖母の遺品への愛がまた別の人へ伝搬し、被災前に失われてしまったこの場所の記憶が忘れられることを克服する。

 コンセプト ~

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