top of page
水と建築​ Water and architecture

~  編集中  ~

このページでは提案要素ごとに参考作品をカテゴライズを行っています。

​対象作品は全国建築学生賞、全国卒業設計賞、JIA修士設計展、トウキョウ建築コレクション、せんだいデザインリーグ、荒レンガ卒業設計展、全国合同設計展、中部卒業設計展、ディプロマ京都、デザインレビュー、長谷工コンペティション、ダイワハウスコンペティション、ERI学生コンペ、大東建託コンペティション、フューリックコンペティション、パブリックスペースコンペティションです。そのほか、関連の動画、書籍、雑誌、建築物もカテゴライズを行い、最大級最先端、最高技術の建築設計プラットフォームを目指します。

水の現象を享受する棚田の建築
- 遷移する空間の設計手法 -

作品概要

水とは、本来周期的な自然の産物であり、絶えず変化している。一方で意匠的な要素として建築に取り入れられる水は恒常的で、変化する水の性質は失われ、道具のような存在となってしまっている。本修士設計では水を変化する建築の構成要素として捉え、水の変化に合わせて遷移する建築を設計する手法を提案する。一年の間にサイクリックな水の現象を示す棚田地域を対象敷地とし、敷地である岡山県美作市上山地域において変化する水の状態(水の反射角度・棚田の水量・霧の高度変化・雨の流れ方)に対し、建築の断面構成・屋根・内外の関係・レベル差・素材などを操作することで、時期や時間によって遷移する空間及びその設計手法を提案した。また本提案では、棚田が放棄されているという社会的な問題を解決するために新たな水路と農道のシステムを考案し、棚田と共に遷移する建築とランドスケープを、棚田再生の新たなモデルとして提示している。

Tokyo Linkage Plaza
都区部における舟運の再高度化を見据えた橋畔建築の建ち方

作品概要

近年、東京都区部において、舟運利用の再高度化を図る取り組みがみられるようになった。このことは、過重な陸上交通の代替手段としての期待に、遊覧などのアクティビティが重ねられることで、河川上の空間が都市の公共的な居場所として再発見されているとも捉えられる。本計画は、こうした河川上の空間と既存の都市空間をつなぐ橋畔部に着目し、そこに求められる建築的な性格の整理を通して、陸上と水上を断面的につなぐ立体広場としての、橋畔建築の設計提案を行うものである。

まず、世界の橋周囲にみられるアクティビティと建築を採集するとともに、都区部における橋畔部の現状を実踏調査、橋詰空間の歴史を文献調査し、類似した空間構成と考えられる橋上駅を分析することから、橋畔建築に求められる空間の性格を導いた。この性格の有効性を異なる敷地環境において検証するために、敷地は日本橋川沿いでビルの建つ雉子橋詰と、神田川沿いで地下鉄出口のあるお茶の水橋詰、公園のある和泉橋詰の橋畔部とした。それぞれの敷地が潜在的にもつ建築の形式として、地上建物、地下空間、屋根を見出し、それらの特徴と求められる性格を活かすように、常時占有されない動線空間を重ねた、周辺環境と群衆の動きにインタラクティブな橋畔建築の建ち方を提示している。

交通の結節点に求められる性格と建築の形式を結ぶこれらの設計によって、都市建築のタイポロジーの一つに橋畔建築が位置付けられた。

暗渠が生む特殊な都市歩行領域の研究

作品概要

 都市には街の成り立ちや変遷を表す痕跡が数多く存在する。その中でも著しい発展を遂げた東京では江戸期に行われた水系改造を筆頭に複数の事業が行われ、河川と人々の生活を支えた痕跡として暗渠が残された。36答申をはじめとする下水道化協議のなされた河川は、他河川と比較して都市計画・建築計画への影響が大きい。自然物である河川が生む蛇行や分岐といった特徴的な形状が残る歩行領域を規定・抽出し、定量分析を行った。その結果車両が進入できない歩行領域は二次的に歩行路の発生を誘発し、歩行領域は拡大することが予測できた。渋谷区西原に位置する歩行領域を選出し、提案対象敷地は領域内の河骨川暗渠と宇田川暗渠の合流地点に設ける。周辺では個人経営の小規模な小売店やクリニック、事務所などが増えている現状から、共用オフィスやキッチン、オフィス付き住戸を含む複合施設を提案する。周辺に存在する歩行路や車両進入可道路を敷地内に延長させ、外部階段とすることで建物内に人の流れを引き込む。ボリュームに巻きつく歩行路は河川のように合流や分岐を経て上階へ登っていく。その中継地点には踊り場という共用外部空間が随所に存在し、人々の憩いの場となる。かつての水網のように都市に張り巡る歩行路は都心の集中的な道路網に紛れており、決して目立つ存在ではない。開渠として使われた時代とは形を変え、別の存在価値を見出しながら人々の暮らしに関わり続けるだろう。

City Swimmer

作品概要

 都市河川で泳ぐための場所を考えた。スイスの各都市やベルギーのブルージュの事例に見られるように、産業発展の弊害として失われた河川での豊かな振る舞いと良好な水質を、「遊ぶ」ことで取り戻すことができると思い、隅田川の3箇所を対象に設計を行った。スイスのチューリッヒ滞在時に、会社の昼休みに弁当を持って河川に泳ぎに来る人たちの姿に感銘を受け、そのような自然と都市と人の美しい関係を日本の都市河川でも見てみたいと思った。隅田川では80年前に水泳文化は途絶えているため、設計の参考をチューリッヒの河川水泳場に求め、注目すべき水と人と建築の関係を観察しアクソメ図にて記録した。チューリッヒの事例を参考に、水辺の豊かな振る舞いを誘発する空間の構成・素材・寸法を引用し設計に反映させた。本来河川で遊ぶのに建築などいらないのだが、文化を再生し根付かせるために、現代の人と都市と自然をつなぐ場所となることを目指した。

ギャップのマージ
-中国十堰市のバイエルヘ川の公共空間と施設の生態学的活性化-

作品概要

Baierhe川は、中国の十堰市の直線的な中央部を流れています。 急速な都市化の間に、それはまっすぐにされ、コンクリートで舗装され、純粋な洪水放流インフラになりました。しかし、水路の広さを考えると、過酷な街並みは市民の日常生活と自然との関係を完全に断ち切っています。 それは、物理的および社会的に、都市のギャップになりました。したがって、バイエルヘ川の活性化のために、より敏感で生態学的な戦略が提案されるでしょう。 現在の洪水放流機能を維持し、そのギャップをより質の高い公共空間や施設に変えることを目的として、下流の水路に沿ったさらなる運用の可能性を生み出すための代替アプローチとして、上流地域に追加の拘留公園が提案される。

都市に降る雨と建築

作品概要

 近代建築は雨を排他的に捉えてきた。外部に対しては密閉されていて気密性の高さを求め、基本的に外の環境からいかに自分を守るかということから壁と屋根によって構成されたものが、現在の都市を形作る。高密度化された都市では、雨の処理はすみやかに個有の建築で解決を強いられ、樋やパラペットによって、その流れはパイプの中に収められていった。

 この事実によって都市生活が成立するために建築がもたらしたものは、単に建築の各所の問題ではなく、自然と人との関係に偏りを与え、雨ないし、私たちが見ていた風景は内在化されていったのではないだろうか。

 雨は建築が雨風を凌ぐシェルターであっても、そのシェルターを通して情緒深いものであった。本計画では建築の中心に雨を据えて雨と建築の関係を再編するとともに、内在化された人々の欲求意識への喚起を試みる。暗渠化された渋谷川上流と雨を建築によって結びつけ、現在の都市における雨空間を設計する。

贋作 見えない都市 - 艀と複数の舞台による都市の劇場化計画 - 

 「エウサピアの都市以上に不安を逃れたがる都市はございません。生から死への跳躍をいくらかでも衝撃の少いものにしようと、住民たちはこの都市の完全な模型を地下にこしらえております。」 イタロ・カルヴィーノの小説『見えない都市』。この一節から現代の東京を思い浮かべる事で、本計画は始まる。 

 『見えない都市』で、フビライはマルコ・ポーロが語る幻想都市をもとに、広大な帝国を見る。発展した交通網による時間と距離の概念の喪失、グローバリゼーションに奪われた都市の個性。それらを想像で補う私達とフビライの都市の捉え方は似ている。
 かつてピラネージが描いた廃墟の版画は、このような現実と幻想の狭間にある都市の姿を表現していた。そこに描かれる人間が演劇的である様に、東京も既に劇場化している。無意識の役者はいるが観客のいない劇場。しかしそれは、都市に日常を取り囲まれ、当事者として生活する私達には意識されていない。 

 秋葉原における川沿いの7つの舞台と遊歩道の計画。
 それらを観客席となる艀で巡ることで、観客はある一連の物語に取り込まれる。演技者と生活者の姿は徐々に区別がつかなくなり、艀自体も都市のパフォーマンスとなって、川そして都市全体が劇場として認識されていく。
 私達は、既に劇場のような都市で生活していて、そこでは現実と幻想が交錯している。その様な都市における体験を解き直し、実体あるものとして認識する為に、本計画を提案する。

築地川の渡し

作品概要

 街中で遭遇するリニアなヴォイド空間や道路の不自然な縦断勾配。これらの場所の過去を辿ると水都江戸の掘割や橋の存在に繋がる。高層ビルが立ち並び交通インフラが行き交う東京の混沌とした街並みの足元には、16世紀に計画された江戸の都市骨格が根付いている。沈床公園、地下高速道路、地下鉄駅などまちの足元と異なるレベルに空間が存在する風景は掘割の遺構である。
 本研究提案では、掘割遺構を土木・建築・ランドスケープの三側面から再編し、この都市骨格の利用可能性を探る。かつて掘割・河川が多く存在した東京都中央区築地界隈を対象エリアとし、掘割、そして人々の結節点となっていた橋を再評価し、多層化した都市の要素をつなぐ新たな”渡し”を設計する。
 まずリサーチフェーズにおいて古地図と現地調査を元に、変遷と利用・現在の空間の側面から分類し、空間的特徴を分析する。つづくデザインフェーズでは得られた知見をもとに地上・地下が連続したこの遺構特有の空間を活かすデザインを提案する。今まで継承されてきた地形と更新されるインフラをこれからも都市基盤として広がり、施設の枠を取り払うリニアパブリックスペースとしてリデザインする。これにより築地川は再び都市に広がる流れとなり、人々の足元に広がり続ける。

森になる川の遷り -桂川下流における動く河川公園の設計提案-

作品概要

 日本の中流域の川は森へと姿を変えつつある。洪水攪乱の減少により遷移が進んだ川は、都市に秘境のような緑地環境を形成する一方、新たな洪水リスクをもたらした。そこで、京都桂川を対象に、小さい攪乱を増やし都市を守るインフラと攪乱と遷移が空間をつくる「動く河川公園」を提案、河川環境と治水の両立を目指す。動く河川公園は、攪乱を制御し都市を守る河川インフラである水制工の機能を、増幅に読み替え、〈動かないもの〉攪乱をコントロールする水制工、〈動くもの〉攪乱による植物群落の消長と河床の変動、によって形成する。現況の植生動態と流れ構造の分析から、川が持つ動きを増幅し、変動する空間をつくる。攪乱をコントロールする水制工の配置は河川シミュレーションソフトを用い、配置計画と設計した攪乱がもたらす50年間の変動予測を行った。
 公園内は動きをつくる水制工の上に設置した木デッキが人の居場所となる。森になる川は、攪乱を繰り返し、密林と川の2極化した環境から、ヨシ原、森の中の入江、ヤナギの大樹の木陰と草原など多様な環境が立ち現れ、やがて50年に一度の大規模洪水を受け入れる姿になる。森になる川は都市に動くオアシスを提供し、訪れる人に自然のダイナミズムを伝える。

観光によるコモンズの再構築タイのクロンバンルアンコミュニティのケーススタディ

作品概要

クロンバンルアンは、バンコクの運河沿いに定住するコミュニティです。その生計は運河沿いによく整理されており、主な交通手段はボートでした。しかし、都市の近代化により、モーター化はコミュニティの主要な移動性に取って代わり、運河沿いの町並みから活気を奪いました。最近、観光客を引き付けるためにいくつかの新しい構造をもたらすことによって、観光客はこの場所を再発見し、再活性化しました。これは実際に村人の運河へのアクセスを妨げています。観光は過度の変革をもたらすため、コミュニティの生活を悪化させる可能性もあります。この問題を解決し、地域の特徴を活性化・強化するために、本稿では、地域の生活と観光のバランスをとるソリューションを提案し、物理的な設定とプログラムの両方の意味でしきい値を再設計することにより、このコミュニティを維持するためのメンバーシップを再定義します。

中国哈爾濱市における水辺環境を活かした複合医療施設の設計

作品概要

 現在、中国では深刻な環境破壊が顕在化し、中国全土で住民への健康被害が及んでいる。そのため、病院や医療スタッフの数が不足し、早急な医療施設の整備が必要とされている。
 こうした中、中国政府は「健康中国2030計画」を掲げ、医療・健康に関する幅広い分野の向上を目指している。中でも、国際医療交流が大きく位置づけられているが、国民の多くは中国医療に対する根強い不信感があり、安心と安全を求めて国外へ医療を目的に渡航する中国人医療ツーリストが急増する。世界的に医療ツーリストが増加する現在、より多くの医療ツーリストを呼び込み、幅広い医療技術の提供を行う複合医療施設の整備が世界各地で進む。
 一方、健康中国2030計画の一つに、医薬産業が挙げられている。中でも、中国の医薬産業を牽引してきた漢方薬の研究開発が重視され、バイオ科学技術の急激な発展により進展している。今後、漢方薬を応用したバイオ医薬品の研究開発は、中国と世界の医薬産業を牽引する要素になると考えられる。
 そこで本計画では、「医療」、「療養」、「研究開発」の複合医療施設の計画を行う。中国医療の強みである漢方薬を中心とした施設展開をすることで、西洋医学と東洋医学を組み合わせた治療や、未病からの病気の発見や予防、治療、健康の増進などの総合的な医療の提供が可能となり、より多くの医療ツーリストを呼び込む。今後の中国及び世界の医療及び医薬産業を牽引する施設を目指す。

​~ 関連する建築家 ~
アルゴリズム建築・Algorithmic Architecture

アルゴリズム建築とは、情報処理技術を用いた、解像度の細かい離散過程を伴う設計の手法で、自然と人間の関係、自然と作為=人工的な構築の関係を再び定義し直すものである。自然は無限の連続体であるのに対して、そこにデザインの過程で人間の解釈が加わると必然的にその自然は有限の要素へと「離散化」される。アルゴリズムとは、同じく自然を離散化して理解するための方法でありながら、従来の近代までの解像度の粗い離散化過程とは異なり、より解像度の細かい自然の離散化を行ない、連続体としての自然そのものへと限りなく近づこうとする試みである。

​~ 関連する建築思想 ~
アルゴリズム建築・Algorithmic Architecture

アルゴリズム建築とは、情報処理技術を用いた、解像度の細かい離散過程を伴う設計の手法で、自然と人間の関係、自然と作為=人工的な構築の関係を再び定義し直すものである。自然は無限の連続体であるのに対して、そこにデザインの過程で人間の解釈が加わると必然的にその自然は有限の要素へと「離散化」される。アルゴリズムとは、同じく自然を離散化して理解するための方法でありながら、従来の近代までの解像度の粗い離散化過程とは異なり、より解像度の細かい自然の離散化を行ない、連続体としての自然そのものへと限りなく近づこうとする試みである。

静岡県都田川水系における水族館の提案  - 浜名湖の特質を活用した展示施設の設計 - 

日本は古来より、豊かな森や海の水資源を活用し、社会経済活動の発展、人口増大による開発行為を行い、国力をつけてきた。その代償として、近年の水域の状況は、水質の悪化や生物の激減状況が顕在化してきている。

 同時に、生物や生態を保全することへの関心は高くなり、より積極的な取り組みが示されてきているが、地球規模で自然環境の重要性が問われる今、体系的に学ぶ場は、学校教育においてほとんどないのが現状である。よって、社会教育での博物館施設で果たすべき役割はますます大きくなると考えられる。

 しかし、かつてない速度と規模で動植物の減少が進んでいる現在、展示による環境教育だけでは種の保全はおろか回復にも寄与できていない。

 そこで本計画は、自然環境に貢献する水族館の提案・展示空間の設計を行うものである。

タイ、バンコクのリバーサイドコミュニティを再構築するための設計プロトタイプ

作品概要

 タイ政府は、タイのバンコクにある9つの重要な河川沿いの約70,000人のすべてのコミュニティを直ちに取り壊し、新しい住宅開発を建設する計画を立てています。 計画は良くて有望に聞こえます。 しかし、そのような突然の変化は、地域の生活、人間関係、文化が失われ、多くの企業がそれらの人々に依存しているため、地域経済が計画に苦しむなど、多くの面で大きな悪影響をもたらします。 したがって、このプロジェクトは、このような問題を回避するためにコミュニティを少しずつ徐々に変更する調整可能な計画を提案します。また、新しい設計提案は、地域の生活、関係、文化を維持し、川沿いのスペースを再開発するという政府の目標を達成することも期待されます。 同時に。

Water Building for TOKYO
- 水循環ビルトインプラントの試設計 -

作品概要

建築が雨水や汚水の「排水源」として存在するのではなく、小さなダムのような役割を担い、水質・浸透時間・建築空間における使い方を多段階にコントロールし、多目的にまちを潤す「湧水点」となる水循環、建築を提案することを目的とする。「水の建築とは何か」を模索することがテーマである。

対象を東京の水循環から外れた「江戸城外濠」とし、外濠の水質を整え、周辺の水辺環境を活用していく、ビルディング型のサテライト汚水処理施設(プラント)の提案を行った。

ケーススタディとして、エリア特性、下水台帳、MBR浄化法を基にプラント及び街区のウォーターフローモデルを作成し、建築化を図っている。計画の概要は、1.プラントとミュージアムを交互にビルディング状に積み重ねていく2.内部と外部の間に吹き抜けと膜を設け中間領域をつくることである。中間領域がパブリックを結ぶ断面的な動線となり、外部へ水循環のシルエットを滲み出させる空間設計を行った。

外濠周縁に住む人達が出した再生水で、再び外濠がきれいになっていくメッセージ性のある建築、地域性を捉えた東京の新しい水循環、水風景を可視化でききたのではないかと考えている。

【 2 】建築設計・各提案プロセスの作品パターン