全国ケンコミ建築設計研究所
建築設計課題を楽しむ10のポイント
ここでは建築学科で行われる設計課題をどのようなスキルを身につければいいのか
どのような提案をすればいいのか、評価されるためにはどうすればいいのかなど
建築設計課題を取り組むうえでのポイントを紹介していきます。
POINT1 建築設計の基本的な分類をみにつけよう

建築設計課題は設計課題と敷地、プログラム等がある程度決まっているので設計しやすい。
設計を一から考えられるようになるには大学の設計課題がスラスラ解けるようにしよう。
ただ設計すればいいのではなくちゃんと評価にあった提案をしなければならない。
POINT2 基本的な評価基準(優しめ)
設計課題にはある程度レベル分けがある。
レベル1. 課題に対してたテーマ、設計手法、空間等が提案できているか。目安評価C判定
レベル2. 課題に対して答えられているか。目安判定B判定
レベル3. 提案にオリジナルな提案ができているか。目安判定A判定
レベル4. 自分の提案が課題に対して明解に答えられているか。目安判定S判定
レベル5. プレゼンテーションがまとまっていて熱量があるか。目安判定S判定
POINT3 建築設計課題の評価軸はどこに依存するのか
1.2年生時の平均的なレベル
建築設計課題の場合評価軸は課題に答えることが評価軸になる。
敷地が指定されれば敷地に対して自分の提案はどのように提案するのか。
プログラムが指定されていればどのような新たなプログラムを設計するか。
その他、法規的制限など自分の提案と明解に解けているかなど
課題から外れないようにしよう。
1.2年生時の平均的なレベル
その中で自分の提案のどこがオリジナルなのかを考えよう。
オリジナルの提案は敷地の答え方やプログラム、設計手法、手法によってできた空間など
様々なポイントで付加することができる。複数オリジナルを持っていてもよい。
2.3年生時の平均的なレベル
さらに作品の全体性を見たときに明解に答えられているかを考えよう(明解性)。
建築設計は作品です。なので部分部分での提案ができていても1つの筋(バックボーン)
がなければ作品に説得力が出ない。作品に明解性を持たせよう。
3.4年生時の平均的なレベル
さらに建築の提案に公共性(パブリック)を持たせなければならない。
また公共性を持たせるときに事業スキームや更新計画、独自のプログラム、まちの仕掛けなど
社会性をもった提案を目指そう。
POINT4 新規性(オリジナル)の持たせ方
提案に新規性の持たせ方は敷地への解答、プログラム、設計手法、空間、
プレゼンテーションで行うことができる。
■ 敷地への解答(物理的なコンテクスト)周辺の建物の規模や特徴、緑地や特殊な建築
周縁の物理的なコンテクストをデザインや空間に取り込む建築
周縁の物理的なコンテクストに対して調和する建築
周縁の物理的なコンテクストと密接に関係しあう建築
周縁の物理的なコンテクストに対比して新たな価値を生み出す建築
■ 敷地への解答(文化的なコンテクスト)敷地周辺の歴史や街並み、地縁などの人間関係や行動の特徴など
文化的コンテクストを活かす建築
文化的コンテクストをデザインや空間に取り込む建築
POINT5 設計プロセスはどうすればいいのか?
設計をしていく中で自分の提案を考えるプロセスは人それぞれである。
1論理的設計 論理的にテーマから設計手法、空間の順で考える人もいれば、
2理想的設計 実現したい空間を考えて空間から設計手法、テーマの順で考える人もいる。
3実験的設計 また、設計手法から考える人もいるだろう。
そう、いろんな設計の仕方があるからみんな違う提案んで面白い。しかし、それぞれの設計プロセスはそれぞれメリットとデメリットがある。
1論理的設計はコンセプトから設計手法、空間と筋を通して設計することができるが,既視感の影響を強く受け提案が飛躍しらかったり出来上がった空間が豊かな空間になりずらい。
2理想的設計は空間の良さや豊かさは提案できるものの作品に全体性がなくなってしまったり,コンセプトを後づけして筋が通らなかったりする。
3実験的設計は設計手法によってコンセプトと空間を同時に解決することができる。しかし、設計手法の引き出しがないと同じ提案しかできなくなる。
など設計プロセスによってデメリットとメリットがある。設計のレベルアップを目指したいのであればここにいち早く気づけることがポイントだ。設計課題でトレーニングする中で3つすべてのプロセスを習得できれば自分の設計で表現しやすくなったり設計が早くなっていく。

POINT6 明解性の持たせ方
新しい提案であったり内容の濃い提案でも明解性がなければ提案は強くならない。
個々のパートでは提案の明解性の持たせ方について紹介していく。
2つのことが同時に解けていると明解性が生まれます。
1、設計手法により空間と提案を同時に解決する。
2、環境とデザインを同時に解決する。
3、構造とデザインを同時に解決する。