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​堤防を解く建築
​干潟による地域コミュニティの再興

Architecture to unlock the dike
Revitalizing Local Communities with Tidal Flats

​​厚くて高い堤防は水辺への親水性や景観を失うだけではなく、魚や鳥、植物の居場所を追いやってしまった。またそれらを介した人間のコミュニティも希薄になったいま、​水害から守りながらそれらを取り戻す建築を提案する

Site:コンクリートによって固められた水辺

コンクリートによって固められた水辺
Site: waterfront hardened by concrete

SITE::東京都 江戸川区 妙見島の周辺住宅街

●地域の課題1:妙見島は江戸川区のなかで4つの川が交わる地点で河川の結節点に位置する中州で、水門や高い堤防により水辺どころか要塞のような閉鎖性が地域を圧迫している。
●地域の課題2:巨大な堤防により東京都(葛西)と千葉県(浦安)の県境には橋が少なく災害時の帰宅困難に大きく影響を及ぼした。

Context:失われた​親水空間のある暮らし

失われた​親水空間のある暮らし
Context: Living with a lost hydrophilic space

江戸川区はかつて干潟空間が広がり地域の暮らしやコミュニティになくてはならないものであった。しかし現在では、水害を防止するため厚くて固いコンクリートの堤防によって水辺と地域が分断した。
​防災をしつつかつての親水性を地域の暮らしに取り戻せないか。

Research:近接する意外な2面性

近接する意外な2面性

リサーチによりコンクリートに対する意外な2面性が近接していることが分かった。妙見島周辺はコンクリートで固められた堤防がある一方、妙見島にはアスコン工場がありコンクリートを破壊し再生する。​この相反するコンテクストを地域の親水性に転換できないかを考えた。

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​コンクリートを破壊するアスコン工場

スクリーンショット (201).jpg

 ​妙見島を固める 
コンクリートの堤防

プロポーザル:提案概要

提案概要
 Proposal Summary

01. 昔(過去)
護岸ができる前の徐々に流れる島(土砂が堆積してできた中州) 

02. 今(現在)
護岸によって妙見島と河川沿いが覆われ水辺が分断した

03. 提案フェイズ1
川の両端に港(堤防)を建設し、干潟空間と変化させる

​04. 提案フェイズ2
アスコン工場が堤防を破壊し、漁礁とすることで水辺を地域と連続させる

Master plan:全体計画

全体計画
Update plan and proposal outline

A - 提案部分と用途の更新

B - 都営バス(路線・停留所)

​C - 水上バス(港・航路)

​D - 遊歩道(歩行・自転車)

E - トラック(橋・道)

​F - 道路・駐車場

​堤防を解く回転水門
​Harbor-01

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Harbor.1 屋形船

PROGRAM

1番パドック-(屋形船)​金屋
  1F-屋形船レストラン 2F-ライブラリ
2番パドック-(屋形船)​飯森亭船
​  1F-屋形船レストラン 2F-ライブラリ
3番パドック-(屋形船)​東京あみたけ
​  1F-屋形船レストラン 2F-ライブラリ
4番パドック-(屋形船)​菅原屋
​  1F-屋形船レストラン 2F-シェアキッチン
5番パドック-(屋形船)​武蔵丸
​  1F-屋形船レストラン 2F-リモート
6番パドック-(屋形船)​あみ幸
​  1F-屋形船レストラン 2F-リモート
7番パドック-(屋形船)​清水丸
​  1F-屋形船レストラン 2F-リモート
8番パドック-(屋形船)まみ弁→浦安-葛西線
​  1F-屋形船レストラン 2F-リモート
9番パドック-(屋形船)とら屋丸→浦安-葛西線
​  1F-屋形船レストラン 2F-リモート

PROGRAM

土木と建築を横断する水門
A sluice gate that crosses civil engineering and architecture

■日常時は水門が開き遊歩道の歩行空間となる
※ ​S造回転水面の天板は一部アクリルガラスにし上から屋形船に賑わいを感じる
■非常時は水門が回転し閉じ遊歩道の柵が上がる

土木と建築を横断する水門
アンカー 9

​堤防を解く船揚げ場
​Harbor-02

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Harbor.2 釣り船

PROGRAM



1番パドック-(釣り船)伊藤遊船
  1F-船着き場
  2F-展望デッキ・オープンスペース

2番パドック-(レンタル船)​YAMAHA
​  1F-マリーナ引き上げ場
  2F-展望デッキ・オープンスペース


3番パドック-(釣り船)​吉野遊船
​  1F-船着き場
​  2F-展望デッキ・オープンスペース

PROGRAM
陸と海を横断するクレーン

陸と海を横断するクレーン
A crane crossing land and sea

■マリーナ専用のパドックは船を毎回陸に上げ保存・整備される為、船の昇降機をデザイン
※ 遊歩道のデッキから船の出し入れを見学でき​ダイナミックな風景と体験をつくる。

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アンカー 13

​堤防を解く船乗り場
​Harbor-03

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Harbor.3 貸しボート

PROGRAM

1番パドック(レンタルボート)
  F1 たかはし遊船 + ヤマハ-ニューポート
  F2 釣り船受付

2番パドック(レンタルボート)
  F1 たかはし遊船​ + F1ヤマハ-ラウンジ
  F2 ニューポート江戸川受付

3番パドック(レンタルボート)
  F1たかはし遊船 + F1たかはし遊船倉庫
  F2 ボート免許教室

4番パドック(レンタルボート)
  F1 たかはし遊船  F2 マリンレストラン

5番パドック(渡し舟)
  F1 たかはし遊船  F2 上州屋 釣具屋

6番パドック(レンタルボート)
  F1 妙見島-観光案内所  F2 管理オフィス

内外を横断する回転壁
Rotating walls that cross inside and outside

■悪天候時に船や人間を守るシェルターになる。

■解放時は湾内へ視線を誘導する壁と変化し
内部と外部が連続する壁が入幇間を与える。
※ てこの原理によりスムーズに開閉ができる

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PROGRAM
内外を横断する回転壁
アンカー 17

​Background

​次世代の最新型
プレゼンテーション

審査会では特設ブースを作成し最先端の技術を導入したプレゼンテーションを行った。各審査員にプレゼンテーションではなくiPadを配布し、作成したWebサイトを用いて各々の興味関心によってプレゼンテーションを最適化した。
今後Z世代の施主に対応していく為に、アップルやWebサイト、SNSなどの互換性も重要になってくる。

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審査会における 特設ステージ

​MSSマルチストーリー
システム搭載

従来のプレゼンテーションでは限られた時間内で全て審査員に対して答えなければならなかった。
MSSマルチストーリーシステムでは、一つの作品に対して複数のストーリーを作成し、
Webサイトのプレゼンテーションにアクセスした際に選択させることで、各審査員に対して最適なプレゼンテーションを短時間で行うことができる。

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​安心安全の施工計画と積算

巨大模型を作成するうえで納期に間に合うか、限られた予算(ポケットマネー)で施工できるかの検討を綿密に行い、歴代最大級の模型製作に取り組んだ。​大学に模型材料の搬入出、コンクリートの打設の許可、​展示方法、廃棄方法など綿密に計画を行った。

模型施工計画表.jpg

5,842パーツ
​フル・レーザー模型

​レーザー加工により高速で高精度の模型を作成することができる。ディテールデザインや構造を高精度に再現できる。大学入学時から5年間レーザー加工による模型を作成し、大学では、ライ選手講習会やマニュアルの作成、メンテナンス管理、安全講習を行っている。

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